Forest Treatment Effect Monitoring Report

氷見市 森林施業効果
モニタリングレポート

Sentinel-2 衛星の 5 年間(2021〜2025)の NDVI 時系列から、対象森林の 植生活力変化と、それに伴う CO₂ 吸収・水資源涵養量の変動を量化。 クレジット制度の MRV(モニタリング・報告・検証)の 低コスト代替 として使えることを示します。

レポート発行
2026年5月14日
対象 AOI
富山県氷見市 朝日山系周辺
森林面積
12,398 ha
観測期間
2021-2025(5 年)
観測点数
71 点

5-Year Forest Vigor Change

+15.2% NDVI

2021-2022 平均 0.401 → 2024-2025 平均 0.462
植生活力が向上、森林整備の効果が観測されている

1. 観測結果

5年累計 ΔCO₂

+41,566t-CO₂

NDVI→AGB 経験式

水資源涵養量 変動

+0.3%

+362,707 m³/年 相当

観測回数

71

夏期ピーク 5 年

対象 AOI

12,398ha

氷見市朝日山系周辺

2. 年次 NDVI 推移

観測年 夏期 NDVI 平均 観測点数 前年比 ΔNDVI 前年比 変化率
年次変動の大きさについて: 単年比較では ±20〜40% の振れ幅があるが、これは気候年較差(猛暑・梅雨明け遅延等)の影響を含む。 2-3 年単位の移動平均で評価することで、施業や森林状態の真の変化を抽出できる。 本レポートでは「2021-2022 平均」vs「2024-2025 平均」で長期トレンドを計算。

3. 計算根拠

// NDVI → CO2 換算(経験式、Pettorelli et al. 系統) ΔAGB(t/ha) = ΔNDVI × 30 ΔC(t-C/ha) = ΔAGB × 0.5 ΔCO₂(t/ha) = ΔC × 3.67 ΔCO₂(AOI) = ΔCO₂/ha × forest_area_ha // NDVI → 水資源涵養 換算(保守的) Δ水源涵養(%) = ΔNDVI × 5 (NDVI 0.1 上昇 ≈ 0.5% 涵養量上昇) Δ水源涵養(m³) = 涵養量(基準) × Δ% // 長期トレンド評価 NDVI_early = mean(2021, 2022) NDVI_late = mean(2024, 2025) ΔNDVI_long = NDVI_late − NDVI_early

4. クレジット制度 MRV との比較

MRV(Monitoring, Reporting, Verification)の低コスト代替: J-クレジット森林吸収プロジェクトの認証維持には、年間モニタリング・報告・第三者検証で 数十万〜数百万円のコストがかかる。本手法は すべて公開データから自動算定 できるため、追加コストはほぼゼロ。クレジット創出者・購入企業・自治体が同じ数値を 共有でき、データの一貫性も担保される。

5. Sentinel-1 SAR:全天候・全季節モニタリング

Sentinel-2 の NDVI は光学観測のため、雲・霧・夜間で観測できない。 日本のように梅雨・台風シーズンに観測ギャップが生じる地域では、これが大きな弱点になる。 そこで C-band SAR(合成開口レーダー)である Sentinel-1 を組み合わせる。

雲を貫通

6-12

全天候・全季節で観測

VH 後方散乱

バイオマス指標

林冠構造・蓄積量に相関

伐採検知

即時

皆伐は -6〜-10 dB 急落

Sentinel-1 SAR — VH Backscatter (Himi AOI)

📡 SAR画像取得待ち(次回 fetch_sentinel1_himi.py 実行で表示)
裸地・水 (< -18 dB) 疎な植生 (-18 〜 -14) 中程度の森林 (-14 〜 -11) 密な森林 (> -11 dB)

VH 偏波(クロスポーラリゼーション)は林冠構造の散乱に強く反応するため、森林バイオマスの代理指標として有効。 Gamma0 で地形補正済み、Copernicus DEM 30m でオルソ補正済み。

NDVI × SAR のハイブリッド評価: NDVI(光学・植生活力)と VH 後方散乱(レーダー・バイオマス)を組み合わせることで、 (1) 葉の元気さ(2) 構造としての蓄積量を独立に推定できる。 片方が天候で欠測しても、もう片方が補完するためモニタリングギャップが発生しない。

6. 誤差を構造的に圧縮する取り組み

本手法の改善ロードマップ

7. 次のステップ

8. データソース

※ 本レポートは公開衛星データに基づく第三者試算であり、J-クレジット制度・VCS等の公式認証 データではありません。実際のクレジット創出・更新には、林野庁・制度事務局の方法論に 準拠したモニタリング報告書が別途必要です。